これまで関わった上司・先輩・同僚・後輩などすべての人のおかげで、今の私があります。

幼少から大学生にかけて日常的に奈良交通のバスを利用しており、私の生活にとって欠かせない存在だったことは言うまでもありません。就職活動の際は誰かの役に立てて、奈良県で働ける企業を中心に活動していました。そうした状況の中で、子どものころからいつも身近にあった当社にご縁をいただき、迷うことなく入社を決めたことを覚えています。入社後、最初に配属されたのは総務部門です。当社が行う各種事業の広告媒体の作成や会社組織の運営などに関する業務を行い、会社の根幹を支える業務の経験を積むことができました。次に路線バスの運行を行う最前線である営業所へ異動。路線バスを毎日決まった時間に運行するためには、実際の運行にあたる運転者をはじめ、多くの人の支えがあることを知りました。現在は、乗合事業部で路線バスの計画の策定および実施に向けた業務を担当。ご利用いただくお客様あっての路線バスは、「公共交通機関」としての役割を担っているため、一般乗用車や貸切バスとは異なる交通手段として、法的な保護を受けています。一方で、運行計画や運賃を変更する際は、法的な手続きや、その運行計画を実施するために現場を預かる営業所や労働組合との議論を経る必要があるということを学びました。やはり業務に従事する当事者になって初めて知ることが多いというのを改めて実感しています。

バスを見て喜ぶ子どもの姿が、運行計画の策定を通しバスに携わっている自身を誇らしく感じさせてくれました。

主に担当している路線バスの計画の策定および実施に向けた業務は、路線バスの計画変更の検討や、変更実施までの準備や、社内外の関係先との調整がメインです。仕事を進めるうえで、次に挙げる３点のバランスを考えて計画し、実行に移すように心がけています。その3点とは、まず、「お客様が利用しやすい時刻設定」、次に「運転者および運行管理者といった現場からのご意見」、そして「会社の経営方針」です。自分が携わることができた計画に基づいた路線バスが運行し、お客様にご利用いただくことを見たときは大きな達成感を得られます。また、私の子どもが幼いころより乗り物が大好きで、奈良の街を走る奈良交通のバスを見ては大喜びしており、そうした姿を横で見ている私も幸せを感じることができています。私自身はバスを運転することができないためバスに直接携わることはありません。しかし、喜ぶ子どもを見て、間接的ではあるものの、確実にバスに携わっていることを少し誇らしく感じています。

路線バス業界を取り巻く環境が厳しさを増す中、事業を持続可能な形で次世代へ引き継ぐのが私のミッション。

バス運転者が全国的に不足していることから、路線バス業界の行く末が危ぶまれており、度々新聞テレビのニュースでも取り上げられています。この業界の先行きに不安を感じる日もありますが、路線バスという仕事はその地域にお住まいの方、あるいは来訪される方にとって無くてはならない存在だということは自信をもって言えると思います。特に奈良県内と京都府南部の路線バスは、各地域の行政機関からご支援を受ける等の連携を取りながら、当社が路線を維持しております。各地域でご利用いただくお客様の生活を支えるという意味で社会的にも意義があり、とてもやりがいのある仕事です。私は学生時代から内向的な性格で、いわゆるコミュニケーション能力も高い方ではありませんでした。しかし、業務を通して関わって皆様方より温かく、時に厳しくご指導をいただいたおかげで、何とか一人の社会人として仕事を続けることができています。これからもより良い運行計画をできるよう自分の職務を全うし、地域を支える路線バス事業を持続可能な形で次の世代に引き継いでいきたいです。