人が好きな私には、まさに天職。地元の高知県を出て、奈良交通に入りました。

実は、それほどバスガイドへの想いが強かったわけではありません。就職を考えた際、人と話すことが好きなので人と接する仕事で、地元の高知県外の職場で探していたところ奈良交通と出会ったのです。奈良交通のバスガイドの求人票を見ると、このお仕事ならたくさんの人と出会えるうえに、いろいろな場所に行ける、さらに県外。もうここしかないと応募しました。バスガイドに対してのイメージがまったくなかったので、入社当初は戸惑いの連続だったことを覚えています。観光名所などを暗記するのに四苦八苦。奈良県はもちろん、お隣の京都府から東は神奈川県の箱根まで広範囲にわたって覚えました。私の人生史上一番勉強していると過言ではありません。覚えやすいといった場所はなく、どの場所も大変でした。そうした状況の中、生まれ育った高知県をガイドしたときは、故郷に錦を飾る、凱旋乗務ではないですが、とてもうれしく、よき思い出です。

いつも笑顔を忘れずに。仕事を通して人間的にもアップデートできました。

修学旅行の学生さんを奈良、京都のお寺等にご案内したり、会社の旅行で他県に行き、名所をご案内したりします。心がけているのは、笑顔を忘れないことと、分かりやすいご案内、そして楽しんでお仕事をすることです。バスガイドの私が楽しんでなかったらお客様も楽しめません。ご乗車の皆さまがそれぞれのご旅行で、楽しんでいただけるようにお役に立つ、楽しさを共有することがバスガイドである私の役割です。このお仕事を通して女性としての振る舞いや身だしなみ、言葉遣いが身につきました。接客を通して接遇力も磨けたと思います。最初は丸暗記したテキストの言葉をそのまま発するだけでしたが、徐々に内容を付け加えたり、かみ砕いた説明をしたりと応用力を発揮できるようになっていきました。とはいえ、辞めたいと思ったことはあります。そう思いながらも、できなかったことができるようになったのをモチベーションに、もう少しやってみよう、もう少しやってみようと続けた結果が現在です。同期からの叱咤激励も身に沁みました。

小学生の女の子からもらった手紙は一生に宝物。少しでも長くバスガイドを続けたい。

お客様からいただく「ありがとう」の言葉は何よりうれしいですし、励みになります。中でも印象に残っているのは、修学旅行でご一緒した小学生の女の子からお手紙をもらったことです。「たくさん案内してくれてありがとうございます」といった内容が書かれていました。私のガイドによって修学旅行が彼女の素敵な思い出になったのだとしたら、これほど喜ばしいことはありません。これからも聞いていて心地よく、思い出づくりのお手伝いができるようなバスガイドであり続けたいです。そんな私にとっての憧れのバスガイドは、これまで関わってきたすべてのバスガイドです。先輩方の「いいとこどり」をして今の私があります。楽しんでお仕事をすることを心がけていると先述したように、楽しくお仕事ができている間は、気力と体力が続く限りはバスガイドを続けていきたいと思っています。